ファジアーノのサポカンを要約してみようとした その2「サポとクラブの関係」

この記事は、ファジアーノのサポカンを要約してみようとしたシリーズの「その2 サポとクラブの関係」です。
オフィシャルの議事録(pdf)では12ページから18ページあたりの内容です。
なお、オフィシャルの議事録では「サポーターとクラブの関係について」とされている部分になります。

この記事を読む前に、要約してみようとしたシリーズの目次を読んでください。

この項目については、オフィシャルの議事録にそれぞれの人の過去の思い出話や個人的な話などがあるため、必要な部分のみに留める努力をしています。

(木村代表が)サポーターに求めるものはなにか (1)この質問は木村代表へ寄せられたものであり、回答は木村代表が行っている。

  • サポーターは共に戦う仲間であり、同じ方向へ向かう同志である。
  • ファジアーノのエンブレムを背負う選手を始め、全てのスタッフはサポーターに感謝の気持ちを持たなければならない。今回のサポカンに全スタッフを呼んでいる。 (2)議事録にはこうあるものの、サポカン当日にネクスファジのJFLシーズン最終戦がアウェーの大分(だいぎんサッカー・ラグビー場Aコート)で行われた関係で、そちらへ行っていたスタッフもいたと思われる。また、実際に大分でファジアーノのスタッフを見たとの話もある。クラブはこれからも長い道のりを行くはずだが、これまでの歴史の積み重ねの上に今がある。

木村代表の思い出話の要約

2004年から2005年にかけて支えた人がいたからこそできた株式会社化、そして地決 (3)全国地域サッカーリーグ決勝大会。JFL昇格のための関門。を勝ち抜けなかった悔しさ。
2007年に地決を勝ち抜き、JFL昇格を決め抱き合った熊谷。
2008年、初の有料興業で成績は良かったがなかなか観客動員が伸びず、共に考え、仲間を募り、興味を持ってくださった結果、岡山にうねりが起きて桃スタ (4)現在のシティライトスタジアムでのホーム最終戦、栃木戦での1万人動員に繋がった。
Jリーグ加入後の2009年は、連続無得点、連続勝ちなし、最少入場試合など悔しい記録が生まれた。いろんな意味できつかったがサポーターのおかげで前に進むことができた。
2010年も苦しかった。2011年も序盤勝てず、アウェー草津 (5)当時はザスパ草津。現在のザスパクサツ群馬での勝利は本当に嬉しかった。帰りの信号待ちで、サポーターと喜びを爆発させた。同じ魂で戦っていると強く感じた忘れられない日だった。
2012年、28万人の署名が集まり、練習場建設が実現した。サポーターが中心となって動いてくれたからこそできたこと。この恩は忘れること無く歩んでいきたい。
2014年の最終戦、アウェー富山へ多くの大旗が来ているのを見た。なぜ持ってきてくれるのか。また入場シーンが見れなくなるのになぜビッグフラッグを掲げてくれるのか。サッカーが好きと言うだけでは無いだろう。気持ちの中に「選手を勝たせたい」「岡山という街・地域への思い」「サポーター同志の団結や責任」「クラブに対する信頼」、人によって違いはあれど、それぞれ大切にしている思いがあって、それが選手・クラブにむかっているのであろう。
この思いに対して絶対に応えなくてはならない。

 


サポとクラブの関係に関する質疑応答

質問者5(質問と思われる部分以外は太字にしていません。以下同じ)
「8月23日の福岡戦以降、冠スポンサーへの感謝の意味を込めてゲーフラ (6)ゲートフラッグを掲げようというプロジェクトを立ち上げた。A社のスポンサーデーの際、A社のゲーフラを準備していたところ、試合40〜50分前にフロントスタッフから『B社へも何かやってもらえないか』と言われた。しかしその時間帯では何もできず、試合後に運営担当者とスポンサー担当者と話をした。そこで『より多くのお金を出してくれるスポン サー様が大事です』と言われ、木村社長の言葉 (7)「サポーターは共に戦う仲間であり、同じ方向へ向かう同志である」を指していると思われるが自分の中で崩れた。それ以降、クラブとのズレが生じ始めた。
その日のうちに木村代表へ電話をし、その後も4回にわたり木村代表と話し合いをしたが、木村代表からは『スタッフの○○が』と言う言葉しか出てこなかった。
自分は木村代表自身ががどういう風にするかということを聞きたかった。
また、2005・2006年のアルバムを貸したが、返却は9月いっぱいという約束だった。しかし10月になっても返ってこない。木村代表への不信感が頂点に達しており、どうなっているかと聞いたら『スタッフ○○のけじめが…』『○○の…』と返ってきて、自分の中で完全に終わった。
自分のこの発言でクラブが傷つくこともあるし、自分自身もそうなると覚悟を持っている。発言には何らかの形で責任を取るつもりだ。言いたくて言っているわけでは無いし、お互いプラスにもならないだろう。
大事なお金だが、これからがんばって行くサポーターに対し、そういう発言はやめて欲しい。
他のクラブでもクラブとサポーターのズレという問題が起きていると思う。 (8)ギラヴァンツ北九州の「ぶちくらせ問題」などを意識しての発言か。100年続くクラブと言うならば、このズレをどう埋めていくのか、これからどうしていくのかを抽象的な答えでは無く教えて欲しい。
他の人が感じているかどうかは分からないが、ズレが出ている事を真摯に受け止めて、行動で示して欲しい。」

吉田取締役の発言要約 (重要と思われるところに下線を引いています。以下同じ)
忙しい中、サポーターの皆さんはわざわざファジアーノの試合のためにお越しいただいている仲間であることを木村代表の発言を聞いて、当たり前のことだと今思っている。木村代表を含めて我々役員は、去年・今年と創業当時からのメンバーが2人抜けた。我々がサポーターとやってきたことを社員に伝え切れていない、我々の責任である。何か足りない物はそこではないか。
地域のクラブはみんなで作るもので、そこは変わってはいけないし、忘れてはならない。ここを無くしたらファジアーノである意味がない。個人的にはスポンサーとかサポーターとかいうのは嫌いで、全て仲間である。その中で、責任を取るのは会社であり、経営陣である我々である。ファジアーノやサッカーを通じて地域を盛り上げたい思いを、社員に伝え切れてない我々の責任。我々自身で厳しく律していかなければならない。
中国リーグの頃は、サポーターも社員も一緒になってゴールポストを運んだりしていた。苦しかったけど充実していた。
でもそこは一番重要。みんなで作り上げてきたこの後から加わってくれたサポーターやファジの選手とかフロントとかスポンサー、声援を送ってくれる人も含めて、みんな仲間。親会社の無い地域のクラブはそうでないと成立しない。
でもそんなことを新しく入ってきた社員にいつからか伝えなくなって、逃げていた。そこの気持ちをまずは社員に伝え切れていない。それが言えない時点で木村代表は社長としてダメだし、支えている我々取締役もダメだろう。
多くの方に来て頂いて、これだけの方が関わっているということを、もう一度原点に返って、会社全体で締めて一人一人が考えられる組織にしていく。

質問者5
「自分の思いを伝え、どうするべきかどうするか、吉田取締役にはあらかじめ相談していた。 (9)「2005年に吉田取締役に初めて出会い、喫茶店で相談したこともあった。」とのこと吉田取締役は『クラブとして考える』と言ったが、『サポーターも一緒に考える』にしないと意味が無いし、うわべだけの言葉では響かない。答えになっていない。それなら一度ぶち壊して、カンファレンスという形かどうかはともかく、もっと歩み寄るべきでは無いか?と思う。」

木村代表の発言
「ここで話します」

質問者5
「だからここで話すから、それではまとまらないから一緒にやっていきましょうよということなんで。」

木村代表の発言
「そうしていきます」

質問者5
「自分だけじゃなくて、みんなだよ?INSIEME (10)イタリア語で「一緒に」「全体で」という意味。ファジアーノ岡山のサポーター団体「CURVA ROSA」では「ここまで礎になってきた選手達の事を忘れてはいけない。これから来る選手達とは共に歩まなければならない。その気持ちを一言で表したもの」として捉えている。でやっていこう。」(一部拍手)

サポーター担当・上條氏の発言要約
これから先、どうしていくかは大事なことである。12年目のシーズンにサポカンという形で意見交換ができるのも大事な機会だと考える。
クラブの体制も少しずつ変わっており、残っているメンバー、今いるサポーターの方々と築いてきた物の上に我々は立ってきたことを感じている。
これから先進むために新しい関係も作らないといけないだろうし、新しい形で地域のクラブとして進まなければならないだろう。
ベクトルがずれたまま進むと「なんでこうなったのか」と疑問を持たれることにもなる。そうならないようにベクトルを合わせ、クラブとしてはしっかりしていかなければならない。

質問者6
「サポーター、サポーターという話だが、サポーターの中でも意見は全然違う。 (11)この質問者はメインスタンドやGATE8〜9あたりで観ているとのこと私は、GATE10 (12)ファジアーノの声出しサポの陣取るエリア、またそのあたりにいるサポーター達のことのことは内情から何から全く分からず、分からない中で『やっていこうよ』と言われ、それがサポーターの意見だと言われても納得できない。たくさん来場者がいれば意見が食い違うのも当然である。GATE10の人も一生懸命応援しているし、アウェーでも素晴らしいコールをしていて、その点はリスペクトしているし批判するつもりも無い。しかし、先ほどの(質問者5の)発言がサポーターの総意ではないことを理解して欲しい。

サポーター担当・上條氏の発言要約
スタジアムには、メイン、8番・9番ゲート、10番ゲートなど、いろいろな所で応援しているサポーターがいる。それぞれに違う意見を持っているであろう。
クラブ理念として「子どもたちに夢を」「地域の誇りになる」を掲げているが、最終的に大きく進むべき道は同じなのでは無いか。
手段・方法についてはいろいろあるだろう。
またサポカンなどで意見を聞きながら毎年、何をすべきかとと言うことをやっていく。
議事録に載るため、こういった話があったことを記載して、振り返ることができるようにする

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