ついに出てしまいました。
風疹患者増加 大阪で妊婦が感染(NHKニュース 2018年12月13日18時13分配信)
このニュースをみて、いても経ってもいられず、風疹の予防接種について記事にすることにしました。
風疹はどう言う病気か
国立感染症研究所のウェブサイトより引用します。
風疹(rubella)は、発熱、発疹、リンパ節腫脹を特徴とするウイルス性発疹症である。症状は不顕性感染から、重篤な合併症併発まで幅広く、臨床症状のみで風疹と診断することは困難な疾患である。
風疹に感受性のある妊娠20週頃までの妊婦が風疹ウイルスに感染すると、出生児が先天性風疹症候群を発症する可能性がある。
特にヤバいのが、妊婦が風疹に感染すると、先天性風疹症候群を引き起こすという部分です。
この先天性風疹症候群は、妊婦がかかった際に生まれてきた赤ちゃんに次のような症状が表れます。
- 心疾患
- 難聴
- 白内障
風疹自体には治療薬がありません。そのため妊婦が風疹に感染すると先天性風疹症候群になってしまう可能性が高いのです。
風疹には予防接種がある、でも…
風疹への対策としては「かからないようにする」がほぼ唯一の対応となります。そのために予防接種が大切です。
ですが、様々な理由により予防接種も万全ではありません。
妊婦は風疹の予防接種が打てない!
風疹の予防接種は、生ワクチンを接種する物になります。
生ワクチンは、ものすごく乱暴な言い方をすれば「風疹のウイルスの毒性を弱めた物」です。このため、もし妊婦に接種してしまうと先天性風疹症候群を引き起こしてしまう可能性があるのです。
妊婦健診では採血検査で風疹の抗体価 (1)どれくらい抵抗力があるかという値 を計測しますが、仮に抗体がなくても予防接種が打てないため、「風疹に感染しないことを祈るしかない」という状況に置かれます。
これから妊娠を考えている場合は早めに打ちましょう
現在妊娠していない場合は予防接種が打てます。
ただし、予防接種を打ってから2ヶ月間、避妊することが必要になります。(男性が予防接種を打った場合は不要)
先ほどの通り、生ワクチンのため、予防接種直後に妊娠した場合に先天性風疹症候群が怒る可能性が排除できないためです。
風疹の予防接種を打っていない人達が大量にいる!
まず1990年度以降に生まれた方は、親がサボっていなければ、なんらかの形で風疹の予防接種を打っているはずです。
しかしそれ以外の方、特に現在30代よりも上の方(1987年以前に生まれた人)は打っていない可能性があります。
と言うのは、この世代は個別接種だったため、接種していない可能性が高いです。
なお、現在39歳〜56歳の女性の方では中学生の時に集団接種をしている場合もありますが、それ以外の方は基本的に打っていないと思った方が良いです。
もちろん、一度でも風疹にかかったことがある人は抗体があると言えます。しかし、風疹にかかったことが無く、予防接種も打ったことが無い人は基本的に「風疹に対してはなんら防衛力が無い」状態です。
私は1986年生まれですが、私の世代は中学生の時に医療機関で個別接種を受ける事になっていました。
しかし、どう考えてみても予防接種を受けた記憶はありません。
もしかしたらどこかで打っていたのかもしれませんが…
確実なのは5年前です。看護学生時代、実習に出る前に「麻疹の抗体がないから予防接種打て」と言われて、MRワクチン(麻疹・風疹混合ワクチン)を打ったと記録にありました。
予防接種を打っていない人達が大量にいるとなにがヤバいのか
先ほども書きましたとおり、妊婦は予防接種を受けることができません。
また風疹は治療薬がありません。
このため、「妊婦の周りの『全ての人』が風疹に感染していない、また抵抗力を持っている」状態でない限り、妊婦の風疹を防ぐことはできません。
この全ての人は家族や友人、職場の人などという狭い範囲ではありません!
妊婦が行く先々全ての周囲にいる人です!
例えば妊婦が電車に乗ったら電車の車内にいる全ての人、ショッピングセンターに行ったらショッピングセンターにいる全ての人、映画館に行けば映画館にいる全ての人…
そう、例外なく全ての人が抵抗力を持っていないとダメなんです。一人でも風疹に感染していたらダメなんです。それぐらいの意識が必要です。
現実的な面で言えば、予防接種を打っている人が大多数を占めれば、風疹の流行を止めることができます。
そのため、とにかく全員が予防接種を打ちに行くことが必要なんです。
予防接種にはお金がかかるけど補助があるかもしれません。
私の場合、今年の10月に風疹の予防接種を打ちました。
これは風疹の抗体価が職場の基準にギリギリ達していなかったため、打ちにいけと言われていたためです。
近所のクリニックでMRワクチン(麻疹・風疹混合ワクチン)を7500円で打ちました…
けっこう高いのは事実です。自由診療になってしまいますので…
ただし、場合によっては自治体から補助金が出るかもしれません。
例えば倉敷市の場合、倉敷市保健所からホームページで次のように告知されています。
内容を抜粋しますと…
- 風疹抗体検査は次の条件を満たせば無料
- 妊娠を希望している女性とその配偶者などの同居者
- 風疹抗体価が低い妊婦の配偶者などの同居者
- 風疹予防接種は次の条件を満たせば5000円の助成金が出る
- 妊娠を希望する女性で風疹抗体価が十分でないと判明した人
- 妊娠を希望する女性の配偶者などの同居者で、風疹抗体価が十分でないと判明した人
- 風疹抗体価が十分でない妊婦の配偶者などの同居者で、風疹抗体価が十分でないと判明した人
このため、まずは検査に行ってみることが大切となります。
自治体によっては違う条件になっている場合がありますので、一度確認してみることが大切です。
なお、私の場合は、妻の風疹抗体価が十分にあったため、助成金は出ませんでした…
また、職場によっては独自の助成制度を設けているかもしれません。こちらも確認が必要ですね。
期間限定で一部の世代の男性は無料で打てるようになります
先日報道で、一部の世代の男性に対して、風疹予防接種を無料化するという事が報道されました。
風疹予防接種を無料化=39~56歳男性、3年間―厚労省 (Yahoo!ニュース 2018年12月11日配信)
これによると、定期予防接種を受ける機会が無かった現在39歳〜56歳の男性は、2019年から2021年度末まで3年間、原則無料で風疹の予防接種を受けることができます。(抗体検査によって陰性だった場合に限る)
もっと早くこうすることができなかったのか…遅すぎると言いたいですが、それでもやらないよりはマシです。
対象の方は必ず受けるようにしてください。世代的には10〜20年後ぐらいにお孫さんができるかもしれない世代ですしね…
打ってても抗体価が低い場合も…
上で少し書きましたが、私自身、5年前にMRワクチン(麻疹・風疹混合ワクチン)を打っています。
それでも、職場の検診では抗体価が職場の基準に達していないと判定されました。
私の勤務先は病院ですので、若干厳しめの基準だとは思います。
ですが、私のように、予防接種を打っていても基準ギリギリだったり、若干満たしていないとされる人は他にもいると思います。
そのため、打っている世代でも再度確認の意味を込めて抗体検査を受けておくことをおすすめします。
これ以上、悲しい思いをする人が増えないためにも、みんな抗体検査と予防接種を…!
私自身、結婚し、今後子どもが生まれてくるかもしれません。
妻は抗体価が高かったですが、私は低かったため、予防接種を打ちました。
ですが、ウイルスをどこでもらってくるか分からないのも事実です。
一人でも多くの人が風疹の予防接種を打ち、抗体価を持つことで、防げる障害があるのです。
これ以上、先天性風疹症候群で苦しむ子どもを増やさないためにも、みなさん、是非抗体検査と予防接種を受けてください。
これは国民の義務と言わせていただければと思います。
予防接種は国の陰謀だとか、マイクロチップを埋め込まれるとかなんとかいってる反ワクチンの人達と、パーティーやってお互いに感染させあえばワクチンなんていらないとか言ってる人は、バイオテロリストと見なしますので、家から外に出ないでくださいね☆(ゝω・)v
References