ファジアーノ岡山の観客動員数が2016年をピークに減少傾向にあるという話題が以前流れていました。
Twitter上では様々な議論が行われていましたが、私はちょっと違う観点から考えてみたらいいのではないかなと思っていました。
それは、「コスパ」という観点です。
レジャーにおける「コスパ」とは?
レジャーにおいてコスパ(=コストパフォーマンス)とはどう考えたらよいでしょう?
それは、「かけたお金に対する満足感」と考えるのが妥当ではないかなと思います。
お金はかかったけど、ものすごく楽しければ、それは安いと思えるでしょうし、逆につまらなければ例え1000円しかかかっていなくても「高かった、もう二度といかない」となるかもしれません。
いずれにしても、この「満足感」という部分はレジャーにおいて極めて重要な要素になると思います。
多くの人は、少しでも多くの満足感を得ようと思って行動することと思います。そのため、不満を覚えるような所へは行かなくなってしまうのではないでしょうか。
満足感を数量化するのは難しい
ただし、「満足感」を数値で表すのは極めて難しいです。
これは実際に行ってみないと分からないのはもちろん、同じイベント・同じ内容でも人によって感じ方が異なるためです。
そのため、比較を行う意味ではこの満足感というものは利用できません。
もう一つの観点「どれだけ時間を潰せるか」
そこで、もう一つの観点として、「そこでどれくらい時間をつぶせるか」と言うものを導入してみたいと思います。
例えば、東京ディズニーランドやユニバーサルスタジオジャパンでは待ち時間などもあるとは思いますが、丸一日そこですごすことができますよね。レジャースポットとして、多くの満足感も得られることと思います。
一方で、住宅街にある小さな公園では、さすがに丸一日、朝から晩まですごす…というのは非現実的なように思えます。 (1)もちろん、家が近いといった理由でごはんとトイレ以外は公園で遊ぶ…と言うことも無いことはないと思いますが……
そういったことから、長時間すごすことができるスポットは、それだけ多くの満足感が得られる可能性が高いと私は思います。
岡山県南のレジャースポットやイベントなどをコスパで考えてみた
では、最初の話題であるファジアーノ岡山のレジャーとしてのコスパを出しつつ、他に競合となりそうな岡山県南のレジャースポットのコスパをざっくりと計算してみることにしましょう。
比較のための定義(条件および計算方法)
スポットによって性質が違う場合もあるため、できるだけ条件をそろえます。(読み飛ばしてもかまいません…w)
- 基本的には「かかるお金/滞在時間」で、1時間あたりの費用を算出し、これをコスパ指数と呼ぶ。
- コスパ指数が低ければ低いほどコスパがよいと判断。
- 家族3人、内訳は父・母・子ども1人(小学生以下) (2)要は我が家の家族構成です。実感として分かりやすいので…w
- 移動は原則自家用車。滞在時間中、そのスポットの公式の駐車場に停めるものとする。
- 公共交通機関での移動は考慮しない。岡山県では自家用車の移動が中心であるため。
- 計算に使用する金額は、次の通りとする
- 「入場料3人分」「駐車場代(あれば)」「食事代(あれば)」「買い物代」
- 滞在時間は施設名をGoogleで検索して、「この場所の平均滞在時間」の一番大きい数字を利用する。
- 平均滞在時間が表示されない施設の場合は適宜推定する。
- なお、この数字には移動時間は含まれない。今回の計算でも基本的に移動時間および移動にかかる費用は考慮しないものとする
- 平均滞在時間が4時間を超える場合はその場所で食事を摂るものとする。
- 食事代についてはどのスポットも3人合計3500円程度とする。 (3)本当はそれぞれでちゃんと出した方がいいんでしょうけど、そこまでやると煩雑になるので…
- 買い物代は、どのスポットでも一律5000円とする
- お土産やグッズ代を想定しています。
- そういったものがなさそうなスポットの場合は計上していません
その1・ファジアーノ岡山の試合観戦(シティライトスタジアム)
項目 | 金額 |
---|---|
チケット(A自由席前売り) | 2800円 |
駐車場 | 1000円 |
食事 | 3500円 |
グッズ代 | 5000円 |
合計 | 12300円 |
- チケット代と駐車場代について
- A自由席は夢パスで小学生以下無料、大人前売り1400円×2人分で2800円と計算
- 駐車場は、事前予約必要な提携駐車場が800円〜1000円のため、分かりやすく1000円で計算
- なお、それぞれの駐車場からは徒歩で移動するものとした。済生会からはバスという手段もなくはないが……
- 滞在時間は、試合2時間前にスタジアムに到着、試合時間は2時間 (4)キックオフからゲームセットまで、試合30分後にスタジアムから出発として、4時間半とする
ファジアーノ岡山の試合観戦のコスパ指数
2733.3円
その2・鷲羽山ハイランド(倉敷市児島)
項目 | 金額 |
---|---|
チケット | 7800円 |
駐車場 | 1000円 |
食事 | 3500円 |
買い物代 | 5000円 |
合計 | 12300円 |
- チケット代について
- 入園+フリーパス代、大人2800円×2人分、小学生2200円で計算
- 滞在時間はGoogleでは出てこなかったので、朝10時から夕方4時までの6時間と仮定
鷲羽山ハイランドのコスパ指数
2050円
その3・倉敷科学センター(倉敷市福田町)
項目 | 金額 |
---|---|
チケット | 3420円 |
駐車場 | 0円 |
食事 | 0円 |
買い物代 | 0円 |
合計 | 3420円 |
- チケット代について
- 科学館+プラネタリウム+全天周映画を全部見るとした
- 大人は合計1410円×2人分、子どもは合計600円
- 倉敷市内の小学生はいきいきパスポートで、中学生は生徒手帳で0円になる
- 高梁川流域連盟に加入している市町(新見・高梁・総社・井原・笠岡・浅口・倉敷・矢掛・里庄・早島)の小学生は、高梁川流域パスポートの提示で土日祝日0円
- グッズとかは無いことはないと思うけど、基本的に科学館なので0円
- 滞在時間は3時間 (5)Googleでは3時間と出たけど多分足りない…w
倉敷科学センターのコスパ指数
1140円 ※パスポート使用した場合は940円
その4・おもちゃ王国(玉野市滝)
項目 | 金額 |
---|---|
チケット | 8200円 |
駐車場 | 0円 |
食事 | 3500円 |
買い物代 | 5000円 |
合計 | 16700円 |
- チケット代について
- フリーパスセット券(入園+乗り物乗り放題)を買うものとした
- 大人2800円×2人分、子ども2600円
- 滞在時間は4.5時間
おもちゃ王国のコスパ指数
3711.1円
その5・池田動物園(岡山市北区京山)
項目 | 金額 |
---|---|
チケット | 2808円 |
駐車場 | 500円 |
食事 | 0円 |
買い物代 | 5000円 |
合計 | 8308円 |
- チケット代について
- 大人1080円×2人分、子ども648円(小中学生)
- ただし、県内の子育て家庭ならほぼ持っているであろうももっこカードを利用すると20%引きになる。
- ももっこカード以外にもJAFの会員証などで割引あり
- 年間4回以上いく場合は年間パスポートがお得。この場合、行けば行くほどコスパがよくなる←
- 滞在時間は2.5時間
池田動物園のコスパ指数
3323.2円(割引時は3098.6円)
その6・玉野市立玉野海洋博物館[渋川マリン水族館](玉野市渋川)
項目 | 金額 |
---|---|
チケット | 1250円 |
駐車場 | 0円 |
食事 | 0円 |
買い物代 | 0円 |
合計 | 1250円 |
- チケット代について
- 大人500円×2人分、子ども250円
- ただし、県内の子育て家庭ならほぼ持っているであろうももっこカードを利用すると20%引きになる。
- 駐車場代は、渋川海水浴場の駐車場になるが、海水浴シーズンは1000円かかる
- グッズはないことはないと思うけど、基本的には博物館なので0円。
- 滞在時間は1.5時間
玉野海洋博物館のコスパ指数
833.3円(割引時は666.7円)
その7・笠岡市立カブトガニ博物館(笠岡市横島)
項目 | 金額 |
---|---|
チケット | 1250円 |
駐車場 | 0円 |
食事 | 0円 |
グッズ代 | 0円 |
合計 | 1250円 |
- チケット代について
- 大人520円×2人分、子ども210円
- 笠岡市の小中学生は無料らしい
- 滞在時間は1.5時間
- グッズ類は確か無かったので0円
カブトガニ博物館のコスパ指数
833.3円
その8・鬼ノ城(総社市鬼城山)
項目 | 金額 |
---|---|
チケット | 0円 |
駐車場 | 0円 |
食事 | 0円 |
グッズ代 | 0円 |
合計 | 0円 |
- 基本的には史跡。鬼ノ城の模型などがあるビジターセンターも含めて基本的に無料のようだ
- お土産とかは鬼ノ城自体のものはなさそうなので0円とした
- 滞在時間は45分
鬼ノ城のコスパ指数
0(計算不能w)
番外・イオンモール岡山およびイオンモール倉敷
- どちらも滞在時間は2.5時間
- 何も買わなければコスパ指数は0。
- ただしイオンモール岡山は駐車場代がかかるが購入金額による割引あり。5000円買えば2時間無料など。
番外・アリオ倉敷/三井アウトレットパーク倉敷(倉敷市寿町)
- 滞在時間は1.5時間ずつなので3時間
- 両者は事実上同じ敷地
- 倉敷みらい公園もある
- 何も買わなければ駐車場代のみ(平日は3時間まで無料)
- 購入金額による割引あり、土日祝日なら6000円以上買えば3時間無料など
今回取り上げたスポットのコスパ指数順位はこちら
順位 | スポット名 | コスパ指数 |
---|---|---|
第1位 | 鬼ノ城 | 0 |
第2位 | 玉野海洋博物館 | 833.3 |
第3位 | カブトガニ博物館 | 833.3 |
第4位 | 倉敷科学センター | 1140 |
第5位 | 鷲羽山ハイランド | 2050 |
第6位 | ファジアーノ岡山 | 2733.3 |
第7位 | 池田動物園 | 3323.2 |
第8位 | おもちゃ王国 | 3711.1 |
※玉野海洋博物館とカブトガニ博物館はどちらも指数は同じですが、県内の子育て家庭なら大抵持っている「ももっこカード」が使える分、玉野海洋博物館がよりお得と判断しました。笠岡市民であればカブトガニ博物館の方がお得かもしれません。
※番外のイオンやアリオなどは含みません
やはり博物館・科学館はコスパがよい
こうして見てみると、今回取り上げたスポットを比較した場合、公営の博物館・科学館は安く楽しめるスポットと言えるのではないでしょうか。
ももっこカードやいきいきパスポートなどを活用するとさらにお得になります。
池田動物園はグッズ代が響いた格好となりました。グッズ代無しならコスパ指数は1223.2なので第5位だったりします。あと、ここは年間パスポートもあるので、考え方によってはコスパかなり良いです。
一方で、鷲羽山ハイランド・おもちゃ王国・ファジアーノ岡山はやはり指数が悪いです。
滞在時間が長くなるため食事代が加わること、またお土産やグッズなどもあるため、どうしても高くなってしまいます。
ファジアーノ岡山の試合観戦に関しては、グッズを買わない前提ならコスパ指数が1622.2になりますが、それでも公営博物館よりは少しコスパが悪いです。
遊園地である鷲羽山ハイランドやおもちゃ王国はそうそう頻繁に行くものではないと思われますが、ファジアーノ岡山の試合はホームゲームはシーズン中は2週間に1回ペースで行われます。そのため、ファミリー層にとっては頻繁に行ける物ではないように感じます。
こういった所も観客動員数に影響しているんじゃないかなぁと思ってみたりしますね…
ただ、例えば「面白い試合」「勝ち試合」「J1昇格がかかった試合」「好きな選手がいるから行く」「ファジフーズが食いたい」といった、数値化しづらい要素もあるため、一概に今回の「コスパ指数」だけでは語れません。あくまでこういう観点で考えたらどうだろうなという思考実験です…w
え、鬼ノ城ですか?
コスパ指数は良いけど、あそこは実質ハイキングしにいくところですからね…
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