病院は“姥捨て山”なのか…?私の感じた実態

以前、Twitterであるpostが流れてきました。
あるはてなダイアリーのスクショでしたが、この記事ではそのはてダへリンクを張りますね。

限界集落・病棟zenbukokona’s diary

「うちのことか?」と思ってしまったぐらいあるあるすぎて、私の感じた実態を記事にしてみようと思い立ちました。

スポンサーリンク

長期間入院している患者は確かにいる

私が勤務しているのは、すごく乱暴に言えば「療養病棟」です。診療科はぼかさせてください。
動ける人もいますが、寝たきり患者が多くを占めています。もちろん看取りもあります。結果的に長期入院になってしまっている患者さんもいます。
長期入院になる原因はいくつもあるんだけど、多くは「家族との繋がりが希薄」か「経済的事情」ってところかなと思います。
精神科だと「社会的事情」で20年30年とかいうレベルで入院しているケースもありますが1、まぁこれは精神科特有の事情なのでなんとも言えませんね。

退院できるのに…

その気になれば施設移行や自宅退院可能な患者さんはたくさんいます。
しかし残念ながら、実際に施設や自宅へ退院するケースはあまりなく、多くが入院したまま寿命を迎えたり、別な病気で転院してそのまま帰ってこなかったり…ということが多い印象があります。

なぜ施設移行や自宅退院ができないか。
しばしば家族がそれを望んでいないとしか思えない事例によく出会います。
家族に「こちらにいるほうが安いから…」と言われ、本来なら施設の方が望ましいにもかかわらず、それができないままいたずらに時間が過ぎて結局亡くなった…なんてケースは良くあります。
状態を考えると施設の方が望ましかったのに…とやりきれない気持ちになったことは一度や二度ではありません。

努力はしています、でも人が足りない

もちろん、自分を含め、何もしていないわけではないんです。
患者本人や家族と度々面談を行って、今後の方針について議論したり、施設移行の障害になり得る項目を無くすために看護師としてできる看護を展開したり…
でも、無駄になることの方が遥かに多いです。残念ながら。
ADLを上げたくても寝たきりになってしまうと出来る事は限られます。正直、寝たきりになってしまったら、そこから歩けるようになるなんてことは無いです。ものすごくがんばればできるのかもしれないけど、人員が足りません。
車椅子に座れるようになれば上等かな…
もちろん、もっと病棟スタッフやリハビリ担当スタッフが多ければ可能かもしれません。

でもね。

看護師一人が受け持ち患者5人程度を担当し、勤務に入っていない看護師の受け持ち患者も担当したり、夜勤だともっと多くの患者を見ていたりするなかで、全ての患者に全力で接するなんてとても無理。
それぞれの患者さんに全力投球して退院や施設移行を目指したいけど、正直、そこまでの余裕は無い。
看護師や病棟スタッフの人数が少ない中では、せいぜい「無事故」で「悪化させない」のが関の山。
そもそも「療養病棟」だから、劇的に良くなることなんてほとんど無い…
そうなるとどうしても“姥捨て山”化してしまいますよね…

思い出される“牧畜業”という言葉、そして悪循環へ。

そんな病棟で勤務しながら時々思い出すんです。「精神科病院は牧畜業」という言葉を。
看護学生の時、確か精神看護学概論の授業で精神看護の歴史を学んだのですが、その中で余りにもインパクトがあったので覚えているのです。
この言葉自体は、1960年に当時の日本医師会会長であった武見太郎が言ったとされています。
当時の精神科は、患者を入院させればさせるほど儲かるという事情もあったようですが、現代では精神科に限った話では無いように思います。
ある程度の期間は急性期として治療を積極的に行うけれども、診療報酬の加算が無くなってくるとまずは退院させる方向で話を進める。しかしそれもかなわなければ低コストで“治療”を行い、それなりの報酬を得ていく…そんな病院、普通にあるのでは?
そして結果として、スタッフの負担が増し、負担に見合った給料ではないと感じた者から辞めていく…そんな悪循環に陥っていませんか?

低コストの弊害

そういえば、先週、このような報道もありましたね。

いまだ真相語らぬ病院側 岐阜の患者5人死亡から1週間(朝日新聞 2018年9月4日閲覧)

エアコンが故障していた病棟に入院していた患者が相次いで無くなった問題ですが、朝日新聞の記事によると、「「老人医療」を専門に掲げ、本館と新館合わせて119床の療養病床がある。」とあります。
私が働いている病棟と同じような機能ですね…

もちろん、エアコンの故障を事実上放置していたのは病院としてあるまじき事ではあるのですが、この病院のウェブサイトを見ていると、なんとなく低コストで患者を収容しておく…みたいな雰囲気を感じます。
なんていうか、ウェブサイトに力を入れてないんですよね…
現代においてウェブサイトは重要な“看板”だと思います。そこが古くさかったりするとやっぱりどこか影を感じてしかたありません。2

そのほかにもいろいろと思うところはありますが、本題とずれていくのでやめておきます。
ですが、コストを抑えたい意識があまりに行き過ぎるとこういう病院も出てくるのは当然だと思います。

それでも私は“男性看護師”として働く

正直、勤務を続ける上でしんどいときはあります。
患者さんをより良い状態に持って行きたくても、思うようにいかない事もあります。
勤務中に何人も看取ってきて、なんなら1日で2人看取ったりして、精神的にボコボコにされたときもあります。
そもそも私は看護師になりたくてなったわけじゃないんです。以前にも少し書きましたが、先生に勧められて気が付いたら看護師になってたんです。
なりたくてなったわけじゃないけど、なった以上は仕事として受け入れてやっていくしかないと思っています。
多分、仕事ってそんなもんだと思うんです。今ある資格、環境…そういったものをうまく使ってやってくしかないと思うんです。
私は看護師資格を持っています。
ならそれを生かして、例え“姥捨て山の管理人”であっても、日々生きていくための報酬を得るためにやっていく…そういう気持ちが必要かなと思っています。

…まぁ、そういった資格と経験を切り売りして、ここ最近ライティングの仕事をしてたりしますし、実際仕事してるときは目の前の事象にただただ対応しているだけの事が多いですが、それはまた別のお話(

  1. 学生の時の実習で関わったケース []
  2. まぁ配布テーマをさほど弄ってない当ブログで主張するのもなんなのですが、個人ブログなので許してください。 []

コメント