投稿するタイミングを逸してボツにしていたネタとして「岐阜県民手帳」があります。
今回は、そこで取り上げようと思った項目をピックアップしてみたいと思います。
それは、岡山県民手帳と岐阜県民手帳において、地元サッカークラブの扱いが著しく異なっていたことです。
岐阜県民手帳における地元サッカークラブ「FC岐阜」の扱い
2019年版の岐阜県民手帳では、2ページを裂いて明治安田生命J2リーグに所属する「FC岐阜」について紹介しています。
チーム名の由来やエンブレム、マスコットキャラクター「ギッフィー」の紹介を始め、試合観戦におけるポイントにいたるまで、2ページの中にクラブの紹介が凝縮されています。
なお、FC岐阜は岐阜市を中心とする岐阜県全県をホームタウンとしています。
さらに表紙がFC岐阜仕様になっている物も準備されています。
こうしてみると、岐阜県民手帳ではFC岐阜について力を入れて取り上げているように見えます。
岡山県民手帳における地元サッカークラブ「ファジアーノ岡山」の扱い
以前、岡山県民手帳については記事にしていますが、そこでファジアーノ岡山については触れていません。
あらためて探してみましたが、ファジアーノ岡山のファの字も書いてありませんでした!
年表が載っていますが、J2昇格年前後にも一切記述はありません。
ちなみにファジアーノ岡山は「岡山市、倉敷市、津山市を中心とした岡山県全県」をホームタウンにしています。岡山市だけがホームタウンではありません。
両県を比較し、やや強引に考察してみる
この違いはどこから来るのか、岐阜と岡山、両県のなデータや県民手帳に関わる情報を比較してみたいと思います。
岐阜県 | 岡山県 | |
監修 | 岐阜県環境生活部統計課 | 岡山県総合政策局統計分析課 |
発行 | (株)太洋社 | (株)ビザビ |
人口 (1)2015年、千の位四捨五入 | 203万人 | 192万人 |
県民歌の掲載 | あり | なし(愛唱歌はあり) |
また、ある程度のレベルのリーグで活動しているスポーツクラブもピックアップしてみます。 (2)やや恣意的な面はありますが…
チーム名の後の括弧内はディビジョン等がある競技での所属リーグで、2019年、ないしは2018-2019シーズンの所属です。
岐阜県 | 岡山県 | |
サッカー | FC岐阜(J2) | ファジアーノ岡山(J2) |
女子サッカー | FC岐阜BELTA(岐阜? (3)存在はしているようですが、2019年シーズンの所属リーグがよく分かりませんでした…) | 岡山湯郷Belle(チャレンジ) 吉備国際大学Charme岡山高梁(チャレンジ) |
バスケットボール | 岐阜スゥープス(B3) | トライフープ岡山(B3準加盟) |
女子バレーボール | JAぎふリオレーナ(V2) | 岡山シーガルズ(V1) |
卓球男子(Tリーグ) | なし | 岡山リベッツ |
女子ハンドボール | 飛騨高山ブラックブルズ岐阜 | なし |
どちらも統計に関わる部局が監修している
岐阜県民手帳・岡山県民手帳共に、統計に関わる部局が監修しています。そしてどちらも統計データや県の施設の紹介などが載っています。
岐阜県民手帳は統計データなどが別冊形式になっていますが、FC岐阜の情報は別冊では無く本体の方に掲載されています。
一方、岡山県民手帳は1冊の中に全てが収められています。
両クラブとも県全県をホームタウンにしている
上の方でも記述しましたが、FC岐阜・ファジアーノ岡山両クラブ共に中心となる自治体を選びつつも基本的には全県ホームタウンのクラブです。
特定の自治体だけがホームタウンではないため、岐阜県民手帳でFC岐阜を紹介することには問題はないと思われます。
比較をしてしまうと、同じJ2リーグ所属でありながら、岡山県民手帳でファジアーノ岡山に触れられていないことにはやはり疑問を持たざるを得ません。
両県とも、ある程度のリーグで活動しているスポーツクラブが複数ある
一方で、全国リーグで活動しているクラブだけを見ても、男子サッカーだけでなく、女子サッカーや女子バレーなど、ある程度の上位リーグで活動しているクラブが両県ともにいくつか見られます。
そのため、J2リーグのクラブだけを取り上げると、「なんでサッカーだけなんだ」という批判を浴びる恐れもあります。
このように考えると、岡山県民手帳において、ファジアーノ岡山が触れられていないことはバランスという意味において一定の理解ができるところではあります。
株主構成が分かればもうちょっと分析できるかもしれませんが
FC岐阜は岐阜県と県内の市町村が株主として名を連ねています。
そのため、県(の統計部局)が関わる県民手帳において、FC岐阜を紹介することに一定の利益がある物と考えられます。
一方、ファジアーノ岡山に関しては、株主構成がよく分かりませんでした…
仮に岡山県が出資していないのであれば、県の統計部局が関わる県民手帳において紹介するメリットは少ないと判断できるため、やはり載せないとなるのでしょうか…
特定のクラブを扱うと言う意味では難しいところではあるが…
両県の県民手帳を購入したことで、サッカークラブの扱いの違いを見つける事ができました。
サッカーだけで無く他の競技のスポーツクラブもある中で、どこまで特定のクラブを扱うかという物は問題になるかと思います。
しかし、個人的な思いとしては、せっかく岡山県民が一つにまとまることができるツールになり得るファジアーノ岡山を、県民手帳という県が関わる物で触れられていないというのは、なんだかさみしい思いがします。
そういう意味で、FC岐阜、岐阜県民手帳はすこし羨ましい思いがあります。
利害の問題や営利企業の宣伝にならないような配慮などで難しいとは思いますが、2020年版では何らかの形で触れられると良いなと思いました。
余談:なんで岐阜県民手帳を買ったのか
私は2005年4月から2010年2月まで岐阜市に住んでいました。
大学生をしていましたが、訳あって中退しています…
しかし、岐阜に5年間住んだことで、岐阜のすごしやすさ、そして環境が気に入りました。
確かに当時でも名古屋に飲み込まれそうになっている状況があったり、中心市街地の衰退は深刻でした。
それでも、岐阜には様々に魅力的なスポットや文化があります。
大学を中退したときには、2020年までに東海地方、できれば岐阜に戻ろうと思っていたぐらいです。
それだけ思い入れがある岐阜県民手帳がAmazonで売っていたのを見つけたらそりゃ買っちゃいますよね(;・∀・)
※現在はAmazonでは在庫切れのようですが
あ、そうそう。
岐阜で暮らすことで、岡山の魅力を知る事ができたことも忘れてはいけませんね。
2009年に初めて長良川陸上競技場でファジアーノ岡山の試合を見たときに、やっぱり自分の故郷は岡山なんだと気づかされましたから。
そして、それだけ思い入れがある岐阜で、やつらが行った「ぶちくらせ事案」は許しがたい暴挙だったこともあらためて記しておきたいと思います。
References