なぜゲキサカは椎名選手の契約更新をあのように報じたか、その理由を考えてみた

ゲキサカというサッカー専門のウェブニュースサイトの次の記事が、11月29日の夕方〜夜にかけて、ファジサポ界隈のタイムラインでプチ炎上していました。

ここJ2で4年出場なしも…岡山GK椎名一馬と契約更新 | ゲキサカ
 ファジアーノ岡山は29日、GK椎名一馬(32)との契約を更新したと発表した。同選手は今季は天皇杯1試合に出場。J2での出場はなく、最後のJ2出場は14年7月5日の讃岐戦となっている。★日程や順位表、得点ランキングをチェック!!●20...

…日本語としてタイトルおかしくね?1という部分はさておき、ファジアーノ岡山の椎名一馬選手の契約更新を伝える記事です。
見出しが「ここJ2で4年出場なしも…岡山GK椎名一馬と契約更新 」と、サポにとっては悪意を感じてもおかしくない物となっていたためでした。
実際、次のような形で当該記事に対して批判的なpostも見受けられました。

なぜゲキサカの記事があのような見出しになったか、私なりに理由を考えてみようと思います。

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椎名一馬選手とはいかなる選手であるか?数字で見てみる

1986年8月26日生まれ、今年で32歳になる、ファジアーノ岡山のゴールキーパーです。
流通経済大学在学中にはJFLを戦い、JFLリーグ戦に6試合出場しています。
2009年に流通経済大学を卒業し、ファジアーノ岡山に入団、来年で10年目を迎えます。

入団してしばらくはファジアーノ岡山ネクスト(セカンドチーム)とトップチームの間を行き来していましたが、2011年以降はトップチーム登録となっています。
ファジアーノ岡山ではJ2リーグ戦への出場は2014年の3試合のみに留まっています。天皇杯では5試合出場、セカンドチーム登録時に中国リーグへ14試合出場しています。

これらの数字を見ると分かると思いますが、2018年シーズン終了時点で9年間在籍しているにもかかわらず、トップチームではリーグ戦3試合、天皇杯5試合の出場に留まっている事実があります。
その時々で正ゴールキーパーとして出場していた、李彰剛や真子秀徳、中林洋次と言った選手に対して、2番手・3番手のゴールキーパーとして位置づけられている選手です。

契約更新されることの「外から見たときの不可解さ」と実情

こうしてデータを見ると、これだけ出場試合数が少なく、この4年間リーグ戦出場がなく年齢的にも32歳とあっては、プロ選手としては引退が見えつつある時期の選手だ…と言えるでしょう。
それでも10年目シーズンへ向けて契約更新となると、やはり「不可解だ」と感じる人が出ても不思議ではありません。
ゲキサカの当該記事を書いた人もそういった疑問が無かったとは言えないのではないでしょうか。

しかし、足繁く練習場である政田サッカー場に通っていたり、様々な場面で彼の姿を見続けていたりするサポーターは彼の「数字には見えない貢献度」を感じています。

彼はとにかく声が大きい。声で仲間を鼓舞してチームを勝ちに導く事ができる選手です。
練習場でもその声でムードを作り、そしてモチベーションを高めることができる、精神的な支えとなれる選手です。
そのため、数字には表れない情緒的な部分で彼はチームに大きく貢献しているのです。

シーズン最終戦、彼がベンチ入りしていたとき、一部のサポは「今年引退するのでは…」と懸念していたという情報もあります。
しかし、今回、契約更新されたことで、ホット胸をなで下ろしたと同時に、このゲキサカの記事の見出しを見て「見ぃもせんでなに書いとんなら!」となったわけです。

アクセスを稼ぐためには煽ったり炎上したりしそうなタイトルも必要

ところで、ウェブサイトはどのようにして収益を得ているのでしょうか?
これは当ブログもゲキサカも根底では共通している部分です。
アクセスを稼ぎ、広告をクリックしてもらう事で収益を得ているわけです。2

ではアクセスを稼ぐためにはどうしたら良いでしょう?
基本的には内容を充実させることが原則になりますが、「キャッチーな」「煽るような」「炎上しそうな」タイトルを付けることも方法の一つになります。
今回のゲキサカの記事の見出し…十分煽られてませんか?炎上しそうじゃないですか?
アクセスを稼ぐためにはこういったテイストのタイトルも必要なのではないでしょうか。

そもそも取材してない説もあります

今回の椎名選手の契約更新についてのプレスリリースがこちらです。

契約更新選手のお知らせ | ファジアーノ岡山 FAGIANO OKAYAMA
このたび、下記の選手と2019シーズンの契約を更新いたしましたので、お知らせいたします。 ■1 GK 椎名一馬 生年月日 : 1986年8月26日 出身地:千葉県 身長/体重:178cm/74kg チ...

さて、ゲキサカの当該記事の本文を見ると、プレスリリースをなぞる程度でほとんど中身がありません。
もし普段から取材している記者であれば、プレスリリースの情報だけで無く、普段の様子やその選手のエピソードなども加えることができるでしょう。
しかし、現実にはそうなっていない。取材をせず、リリースだけを元に記事を作成したのではないでしょうか。

そこで、前述した「不可解さ」が出てきます。
この記事を担当した記者(あるいはライター)は「いくらゴールキーパーとは言え、4年間もリーグ戦に出てないのに契約更新ってなんか変じゃね?おかしくね?」という疑問を持ち、「ここJ2で4年出場なしも…」とタイトルに付けたのではないでしょうか。 

また、ゲキサカがどうなのかは分かりませんが、クラウドソーシングサイトでは、ウェブサイトの記事作成ライターを募集する案件がよく見受けられます。
そういった記事作成では、記事自体の文字数の制限がある場合もあります。
ゲキサカがどうなのかは分かりませんが、こういった事情があるかもしれませんね。

私が作ってもやっぱり似たような見出しになると思う

私がTwitterに投稿した文章を引用しておきます。

情緒的情報をどう記事にするかという部分は難しいところで、例えばこのブログのように個人でやっていたり、個人名を明記した上で記事を書いている場合は、「私が感じた情報」として記事にすることは可能だと思います。
しかし、今回のゲキサカの当該記事は、署名記事ではありません。そうなると根拠にやや欠ける情緒的な情報を本文に組み込むことは難しくなります。
また文字数制限がある場合は、必要な情報を組み込む上で、あれこれ脱線しかねない情報は無駄になると言えるでしょう。
そうなると、やはり「数字から得られた情報」を元に、少しでもアクセスを稼げそうなタイトルをひねり出すしかありません。
すると、やはり「4年間J2出場無しだが…岡山GK椎名、契約更新」というような形にならざるを得ないと思います。

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全国向けのマスコミだし、大目に見ませんか…?

結局の所、普段から取材して無いであろうメディアが、数字を元にひねり出した記事のタイトルってだけだと思うんです。今回の出来事って。
確かに数字だけを見ると、「4年間、J2では出場していない」のは事実です。
そこから読者の注目を少しでも集める(=アクセスを稼ぐ)ためには、やはりそこにスポットを当てて違和感や不可解さを醸し出すことになるでしょう。
でも、普段から取材してないので、しかたないこと。
同じ事を地元マスコミがやらかしたら怒っても良いと思います。
でも岡山という地方都市の、Jリーグで上から数えれば33番目という微妙な成績のクラブのリリースです。
そうなると、全国マスコミとしても力を入れるわけにいかないでしょう…読者を集めづらい訳ですから。

椎名選手が、クラブに対して大きな貢献をしていることは、選手達とスタッフ、フロント、そしてサポーターが理解していれば良いのでは無いでしょうか。
そしてそんなことを理解してない全国マスコミに対しては「バカジャネーノ」と一言言ってやれば良いんだと思います。

ちなみに私は、椎名選手の大声が好きです。来シーズンもその声がスタジアムに響くことを願っています。

  1. 「ここ4年、J2で出場なしも…岡山GK椎名一馬と契約更新」の方が良い気がします。 []
  2. 当ブログは現状、全く収益化できていませんが。 []

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