以前、「あなたの知らない入院形態のお話」と題して感染症法や精神保健福祉法などに基づいた入院形態をまとめた記事を公開しましたが、それ以外にも入院形態があるのを思い出しました。
それは「緊急入院」、そして「予定入院」です。
一般的に入院形態と言ったらこっちを指すかもしれませんね…(; ・`д・´)
さらには「日帰り入院」と言った、入院に関して身近に聞くであろう言葉について、まとめてみました。
(勤務している病棟は入院自体が少ないので、すっかり忘れていたのです……)
「緊急入院」と「予定入院」の違いって?
文字通りではありますが、「緊急性の有無」にまとめることができます。
中には予定入院のために病院へ行ったら、症状が思った以上に悪化していたため緊急入院と同様になってしまったというケースもあるかもしれませんが…
よくある緊急入院
緊急入院は、病院にかかった際に「早急に入院治療が必要な状態である」と判断され、医師から患者に対して入院治療が必要だと説明された上で入院するものです。
具体的には次のようなケースですね。
- 交通事故で大怪我をして救急車で運ばれ入院した
- 尋常で無い腹痛で病院を受診したら虫垂炎(いわゆる盲腸)で即座に手術が必要な状態だったため手術後入院した
- 酷い風邪が長引くのでかかりつけの医者へ行ったら、重症肺炎とのことで、近くの総合病院へすぐに受診するよう勧められ、そちらへ行ったら即日入院することになった
- 暴れている人が警察に保護され、精神疾患の疑いありとのことで、精神科病院へ運ばれ、措置入院となった
一番最後に関しては、一般的によく言われる緊急入院の一種であると同時に精神保健福祉法に基づく措置入院でもありますね。
いずれにしても、「何らかの急性症状により、即座に入院治療が必要な状態の場合」に緊急入院となります。
予定入院はこんな入院
予定入院は、あらかじめ入院することが予定されている物です。
例えば次のようなケースです。
- 大がかりな検査のための入院(人間ドックなど)
- 急ぎではない手術のための入院(胃ろう造設や、良性腫瘍の摘出手術など)
- 出産のための入院 ※状況によっては緊急入院になるケースもあります
- 糖尿病治療のための教育入院
基本的には「緊急性が低い」「即座に入院治療が必要では無い」入院となります。
「日帰り入院」でも入院になるときとならないときがある!
日帰り入院とは、「入院した日と退院した日が同じである入院」です。
簡単な内視鏡手術や白内障の手術などで見られる日帰り入院ですが、患者サイドから見ると同じような「日帰り入院」でも入院にならないケースもあります。
それは一体どう言う物でしょうか?
入院基本料の請求がされる
保険会社等では、入退院の日が同じである事の他に、入院基本料の請求がされているかどうかで日帰り入院かそうでないかの判別をしているようです。
医師が入院が必要だと認めている
医師が検査や手術を行った後に、一定時間の観察が必要だと認めたケースで入院となります。
その一定時間が日帰りの範囲内だったとしても、医師が入院が必要だとした以上は入院となります。
例えば包丁で指を切った時に病院で縫い合わせてもらったとして、そのまま痛み止めや抗生剤を渡されて帰宅した場合は通常の外来受診の扱いですが、夜まで病室で観察され入院基本料が請求された場合は日帰り入院になるかと思います。
まぁ、指を切った程度では外来でちょっと縫って終わりになる事がほとんどだと思いますが…
また人工透析や点滴など、時間を要するような処置でも、外来のベッドで行われる事がほとんどのため、日帰り入院にはならず、単なる外来通院となります。
まとめ
病気の治療目的、検査目的、また教育目的など、様々な目的で入院と言うことになります。
予定されていてもされていなくても、日帰りでもそうでなくても、入院は人生における一大イベントになり得ます。
もし入院となった場合にはしっかりと治して今後の人生をより楽しみたい物ですね。